これまでイラクの劣化ウラン弾の問題など放射能や原発、エネルギー産業に関するテーマで作品を作り続けてきた
鎌仲ひとみ監督の新作が
『内部被ばくを生き抜く』です。
渋谷アップリンクで上映されて以降、各地で上映会が行われていますが、
早く作品を観たい人や自主上映会を開きたいと思う人のためにDVDも発売されています。
肥田舜太郎、鎌田實、児玉龍彦、スモルニコワ・バレンチナという長年放射線の問題と向き合ってきた4名の医師のかたや、
福島で幼稚園をやっているお寺の住職さんの放射能への取り組みを取材したドキュメンタリーです。
先日、地元で上映会が開催された際スケジュールの都合で行けなかったため残念に思っていたのですが、
メーリングリストで知人がDVDを買う、と書いていたのを見て、
「借りられたらいいな・・・」
と思っていました。
そしたら今日、その知人とバッタリ遭遇。
DVDの話をしたら、なななんと、今注文していたのを取りに行ってきた帰り、とのことでした!
「当面忙しくて観られないから貸してあげる。」
と、その人より先に観ることになってしまいました!
「念ずれば、花開く・・・」ではないけれど、あっさり願望が成就(^^)ありがたし!
作品で描かれていたのは、
避難したくてもできず、葛藤と子供に対する罪悪感の中で
出来る限り食材を選別して
内部被ばくを少しでも避けようとする福島のお母さんの姿。
それでも尿検査で被ばくがわかってしまった時の気持ち。
除染の難しさ。
避難したい人、残る選択をした人、どんな選択も認め補償と対策をしっかりと行うべきだという主張。
チェルノブイリでの医療活動で経験した、放射能被ばくと思われる子供たちに後年現れた症状の話。
それぞれが語る真実が、活字を読んだりするよりも説得力を持って伝わってきました。
現場で実際に実践をされておられる方々に対し、頭が下がる思いです。
実は、特典映像が圧巻で、4人の方それぞれのロングインタビューが収録されています。
おん年94歳になられる肥田舜太郎先生の、広島で原爆が投下された後で医療活動に当たった際に体験されたことのお話には特に圧倒されました。
原爆で被ばくした人たちがどのような症状を呈して死んでいったのか、という話や、
当時被ばくということがわからず伝染病が疑われたために、死因の調査を命じられ灯火管制下に夜の山林で死者の解剖を行った話など・・・
なまなましくも恐ろしい話を、ほほえみをたたえつつ穏やかにお話なさるその姿は、幾多の修羅場に体を張って立ち向かってきた方ならではの神々しさたたえており、思わず画面を拝みたくなりました。。。
自分でもDVDを購入し、自主上映会もできたらなあ、と思っています。